それは美しくあれるだろう。
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市川春子の作品集買いました。
誕生日プレゼントに頂いた「虫と歌」が非常によかったので、次作の「25時のバカンス」もどうだろうということで。
作品集なので何作か収録されています。
まだ「25時のバカンス」「パンドラにて」しか読んでおらず、「月の葬式」はまだなのですが、それでも今の時点ですごく良いです。
市川さんの作品は、展開が面白い、という漫画ではないですね。
本当に淡々と話が進んでいくのですが、設定や作風が本当に美しくはかなげで、少し耽美的な表現もあります。
ほんのりと後味の悪い読後感が新鮮です。
ただ、「虫と歌」が大絶賛されたためなのか、今作は少し作風に迷走が見られたようにも思いました。
市川春子の作品は何度も読んで面白い、という作品だと思います。一度ではなかなか全て楽しむことはできません(もちろん一度目も面白いです)。
だからこそ買いたい、と思うわけですが。
何度も読んで面白いというのは、つまり、読むたびに新しい発見ができるということです。
それはつまり、一度では分からないほどの情報量が漫画のなかに「ひっそりと」詰め込まれているということで、もちろんそのさりげなさが市川春子のよさでもあるわけなのでしょうが、でも何事もくどすぎるのはよくありませんよね。
もちろん今作は興を削がれるほどくどすぎるというわけではないのですが、でも、「虫と歌」に比べると作者が「自分の持ち味」を意識しすぎているような気がしました。
前作が大絶賛だったので、自分のよさはここなんだ、と意識しすぎてしまったかというか。そんな印象。
もしかしたら「虫と歌」で市川春子の漫画の読み方を分かってくださいね、
では「25時のバカンス」では存分に私の作品を楽しんでください。
というスタンスなのかもしれません。
つまり、市川春子的読書法をしないと「25時のバカンス」は楽しみにくいと思うのです。
……というわけで、市川さんを大プッシュはしますが、私としては初見の方には「虫と歌」の方を強くおすすめします。
それではまったかたは、是非是非「25時のバカンス」を。色々書きましたが、この作品、悪いわけではありません。むしろ「虫と歌」よりも世界観の出来上がりが緻密であるという気すらします。
非常に良い作品ですので、是非。
漫画なのに小説、それも非常に繊細で美しい文を読んでいる気分になります。
まるで詩のようです。
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